善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門) 第四十四節
敬意をもってあらゆる浄土への往生を目指す方々に申し上げます。もしこれらの仏の言葉を聞いたならば、その声ごとに悲しんで涙を流し、はかりしれない長い時間をいくつも重ねるほど身を粉にして骨を砕いてこられた阿弥陀如来の御恩のいわれを感謝して、仏の御心にかなった称名念仏をすべきです。どうして髪の毛一筋ほどでも憚る心があるものでしょうか。また、さまざまな浄土への往生を目指す念仏者の方々に申し上げます。すべての罪深い凡夫ですら、罪が滅され、阿弥陀如来に摂取されて浄土に往生できると証明されています。ましてや、聖なる人々が往生したいと願いながらできないことがあるでしょうか。上記のことはすべて、「どのような人々が阿弥陀如来に摂取されて浄土に往生することができるのでしょうか」という先になされた質問に答えた者です。五つの念仏によって得られる縁(五種増上縁)の意味の解説がこれで終りました。