スマナサーラ長老 「頭が突然鋭くなる瞑想法」

頭が突然鋭くなる瞑想法―ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知

頭が突然鋭くなる瞑想法―ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知

この本で、スマナサーラ長老は、知識と知恵の違いをわかりやすく説いていて、知恵を磨くためにはどうすればいいか、簡単な心がけを紹介している。

人間が来世に持っていけるのは、「人間としてどのように生きてきたか」という自分の生き方からもたらされるエネルギーと、真理を理解した知識の一部や知恵だけ。

道徳(生き方)と知恵は切り離せないから、人間がこの世において一番心がけるべきことは、失われるかもしれない知識よりは、知恵を磨くこと。

「知識とは概念の積み重ね」、
ただ概念を頭の中に詰め込んでいる人が知識のある人、
その概念を応用できる人が知恵のある人。

概念には、論理的概念と経験的概念がある。

知恵を磨くためには、知識を経験として学ぶこと。

本を読むときは、テキストを読むときに、そこにある経験を感じながら読むと、頭に入りやすい。
本の背後にある経験を感じようとするといい。

言語を学ぶ時も、実際に使ってみたり、作文してみたり、人に伝えようとしたりと、経験を通して学ぶといい。

本を読む時に、自分が書いた本と思って読むと、頭に入りやすい。

「まず作者が何を言いたがっているか」主観を理解しながら読むと、頭に入りやすい。

その本の意見について、頭の中で肯定したり否定したりしながら遊んで読むのも、一番良い勉強法。

学んだことを誰かに教えるのも、一番良い勉強法。

人間にとって一番大事なのは、自分の性格を育ててくれる勉強であり、「知識は生き方によって完成する」。

知恵とはヒラメキであり、毎日は新しい一日であり、チャレンジであると思うと、ヒラメキが出やすくなる。

・ 毎日ものごとは違うし、同じ現象にはあわない。
・ 勝負は今にある、全部新しいのだ
・ 今日の問題は今日だけであり、毎日自分が出会うのは新しい問題
・ ものごとは瞬間瞬間いつでも新しい

と思っていくと、ひらめきが出やすくなる。

などなど、ためになるメッセージがたくさん詰まっていた。

一つ一つのものには、それなりの時間の特性があり、その時間に自分の方から合わせていかなくてはならない。

ものごとにはすべからく順序と時間の特性があり、その法則を理解することが大事で、「知恵というのは焦らないこと」。
どんな現象にも、まず時間ということがあり、順番がある。プロというのはその道の順番を知っている人のことであり、それ以外ではない。

順番・時間の法則を理解するには、観察という行為の習慣が必要であり、一期一会の精神で観察していくと、そうした法則への理解や知恵が身につく。

「集中力というのは興味」

怒りの言葉をただの音と認識して聞き流す。

私たちの幸福の最大の敵、悩み苦しめる張本人は“心”であり、
瞑想して「妄想に気づく」ことが大事。

妄想を絶つのではなく、妄想に気づくこと。

などなどのメッセージも、本当になるほどーっと思った。

良い一冊だった。