今後の日本の政治はどうなるのだろう

「給料泥棒」与野党議員を酷評
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110222k0000m020021000c.html


今後、政治政局はどうなるのだろう。

個人的には、あんまり政権が短命で終わるのはマイナス面が大きいと思うので菅政権にもうしばらく続いて欲しいと思うが、正直かなり続くのは難しいのではないかと思う。

小沢派十六人が会派離脱し、予算関連法案でも造反した場合、三月には予算関連法案が通らず、早速菅政権は行き詰まり、退陣ということになるかもしれない。

あるいは、三月を万が一乗り越えることができたとしても、四月の統一地方選で、おそらくは民主党は厳しい状況に追い込まれ、その責任を追及されて菅政権は退陣ということになるのではないかと思う。

万が一、四月の地方選を乗り切ったとしても、菅さんは自ら税と社会保障の一体改革の工程表について、またTPP参加について、六月までに意見を取りまとめると宣言している以上、六月までにそれらがまとまらない場合、やはり退陣ということになるかもしれない。

それらも乗り越えたとしたら、なかなかたいしたものだが、今のところその希望や可能性はかなり薄く、早晩菅政権は短命政権に終わるのではないかと思う。

三月か四月、あるいは六月に菅さんが首相を辞めたとして、その後はどうなるだろう。

仮に菅さんが辞めるだけで、民主党の内部で誰か他の人が首相になった場合。

おそらく、野党は解散を要求して審議拒否やさまざまな圧力を強めるだろうから、菅さんが辞めたところで野党との協議が進むとは思えない。

また、民主党内部においても、反小沢派と小沢派の対立はますます尖鋭になりこそすれ、菅さんがやめたからといって収拾することはないのではなかろうか。

そうこう考えると、日本の政治的麻痺はますます深まりこそすれ、あまり菅さんが退陣したからといって民主党内部で政権をたらいまわしにする限り、政治的麻痺から脱却できるとは到底思えない。

次に、菅さんが解散に踏み切った場合、あるいは菅さんの後継者がすぐに解散に踏み切った場合。

民主党が選挙に勝つ可能性はおそらくほとんどないと思う。
一方で、自民党が勝ったとしても、圧倒的な勝利を占めることはないのではなかろうか。
どちらも衆院の三分の二には達しない、という状況になるのではないかと私は思う。

衆院参院のねじれは、安倍政権以後顕著な問題となったことだが、それでも一応国政がなんとかなってきたのは、自民党衆院で三分の二の議席を持っていたからである。
また、菅政権がねじれを抱えるようになったにもかかわらず、一応なんとか政治を運営するめどが今まであったのは、衆院民主党が三分の二をなんとか確保できそうだったからである。

もし衆院でどの党も三分の二を持たず、かつ参院もねじれたままとなれば、日本は国制上の問題が一気に露呈し、政党政治の機能不全が顕著になると思われる。

小沢派十六人やその行動を賛美している人々は、これらのことについては少しは考えがあっての上のことなのだろうか。

そもそも、小沢派は多くの場合、どういうわけか前原さんを毛嫌いして、アメリカの犬だの散々批判して貶すことが多い。
私はべつに前原さんを嫌いだともアメリカの犬とまでも思わないが、しかし首相にふさわしいかはかなり疑問で、永田メール事件などからかなり危なっかしいとは思っている。
しかし、もし菅さんが首相を辞めて民主党内部で首相の座をたらい回しした場合、おそらく次の首相は前原さんになる可能性が高いだろう。
特に、四月の地方選の後となれば、幹事長としてその責任を問われる岡田さんは首相後継から当然外れて、前原さんとなる可能性が高いと思う。
小沢派は、あれほど前原さんを批判しながら、前原さんを首相にするために狂奔しているとは、ほとんど馬鹿ではなかろうかと思う。

民主党の後継者争いや、衆院選挙で、またもや延々と多くの時間とエネルギーが浪費されれば、ろくに持続的な政策への取り組みはまた長い期間なされず、それらは大きく遅れることになるかもしれない。

仮に民主党政権が選挙で終止符が打たれたとして、自民党衆院で三分の二を持つことができないならば、政策の遅滞や遅延は延々と続くかもしれない。

無責任な破壊主義がこの国に招く不幸ははかりしれないほど大きいと思うのだけれど、こうした私の予測は、悲観的に過ぎるのだろうか。

経団連の会長さんの言葉自体は、いくばくか的を射た部分もあると思うのだが、たぶん与野党ともに、またそれぞれの熱狂的支持者はそれぞれに、あまり聴く耳を持たないのかもしれない。