菅政権も短命に終わるとすれば

内閣支持17.8% 民主政権で最低
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011021700640&j1


菅政権も短命に終わるとすれば、また短命政権が一つ終わることになる。

支持率や状況からすれば、かなり風前の灯火であり、短命政権に終わる可能性は高いと言えよう。

しかし、こうも短命政権ばかりころころ変わって、それで本当にいいのだろうか。

もちろん、菅政権の次に強力な長期政権ができれば、政権の安定という点であれば、それはそれでいいのかもしれない。
しかし、そのような政権が次に現れるという保証もない。

昭和初期、日本はやはり短命政権がころころ変わり続けた。

政治や政策とは、ある程度の長期的な取り組みをしないと、なかなか結果の出ない面があると思う。
特に大きな改革や長期的な政策というのは、一定程度の持続的な取り組みや政権の安定が必要と思う。

昭和初期の日本も、結果として、内外の問題に適切な対処や取り組みを行うことができず、破局へと突き進んだ。

近年、こうも短命政権ばかり続く理由は、大きく三つ考えられると思う。

ひとつは、首相の資質や力量の問題である。
タフさの足りなさや、力量の問題で、ここしばらく短命政権が続いてきたということも、一応は言えるだろう。

ふたつめは、日本の選挙制度と国会の仕組みである。
比例代表制度が混ざった小選挙区制のため、純然たる二大政党制にはならず、多党的状況になりやすく、連立が不可欠となりやすい。
また、参院の権限が強く、ねじれ国会となりやすい。
つまり、連立の組み合わせに行き詰まり、参院が反対すると、なかなか政策が実現できず、内閣が行き詰まりやすいという制度上の理由が日本にはある。
安倍・福田政権以後、この問題は顕在化してきたと言える。

みっつめは、マスコミも世論も、あまりにも首相や政権に対してネガティブな批判や扇動を張りすぎなのではないかと思う。
麻生さんの漢字の誤読など、本当にどうでも良い問題が針小棒大に騒がれて首相の権威をこきおろすだけこきおろすような現象が、ずっと日本ではなんらかの形で続いてきたと思う。
もちろん、ろくな政治的自由のない国よりは、首相や政治権力を自由に風刺することができる社会の方がずっと望ましいし、幸福なものだと思う。
しかし、政策の是非や評価をきちんと行わず、単なるイメージで不平不満やこきおろしが横行するというのは、民主政治にとってマイナスになる場合もあると思う。

他にも探せばあるかもしれないが、上記の三つの理由がもし短命政権ばかり続く理由だとすれば、仮に菅さんをひきずりおろしても、次の政権も短命に終わる可能性はやはり高いと言えよう。

菅政権を擁護しなければならない義理は私には何もないのだけれど、こうも短命政権ばかり続いていいんだろうかという疑問から、短兵急な政権打倒論や悪罵や不平不満の声には、なんとも違和感を感じずにはおれない。