もう二年半ほど前、テレビで、映画「9.11 あの日を忘れない」(原題”The guys”)を見た。
http://movie.ontvjapan.com/RatingUserList/movie/320537
(以下はその時の感想)
あんまり期待せずに、たぶんつまらない映画だろうと思って見てみたら、思っていたよりずっと良い映画だった。
何回か、涙がこぼれさせられた。
ストーリーは、ライター(ジャーナリスト?作家?)のシガニー・ウィーバー演じる主人公のもとに、消防隊の隊長がやってきて、911の事件で死んだ部下たちの弔辞を書く手伝いをしてくれと依頼してくる。
とつとつと、生前の隊員たちのありし日の姿を隊長が語り、主人公がそれを弔辞にまとめる。
その弔辞が、とても泣かせる。
実体もなく、名前もない「英雄」としてただ祭り上げるのではなくて、一人一人ちゃんと名前もあり、家族を愛し、職務に忠実で、いろんな面白いところのある、市井の人だった、一人一人の消防隊員。
そのありし日の姿を、隊長の回想と、主人公の弔辞が、とても見事に生き生きと、視聴者の心に伝える。
その人たちの命が、340名以上の消防隊員の命が、あっという間に失われた911のテロ事件は、あらためて本当にあってはならない、あまりにも失われたものの多い事件だったと思う。
もちろん、911の犠牲者の人の一人一人が名前も人生もあり、NYの街を愛し、家族を愛し愛されていた人たちだったのと同じように、バクダッドやカーブルの人もまたそうであったろう。
ビン・ラディンとブッシュは、間違いなく、そのままでは地獄に堕ちるとあらためて思った。
本当、このようなことが二度とないように、市井の普通の庶民の命が理不尽に奪われることがないように、細心の注意と、そしておそらくは人命を大切にするというごく当たり前の倫理や慈悲をもって、少しばかりマシな世の中に戻るように、この世紀の人間は911やその後の戦争を見ればこそ、思わなければならないのだろうなあと思った。
あと、この映画を見てて、文章の力は本当にすごいと思った。
本当に泣ける弔辞だった。
私もいつか、これぐらいの弔辞が書ける人間になりたいと思った。
思ってたより、ずっと良い映画だった。
心にのこる作品だった。