九一一から十二年

911から十二年。
今も、アフガンは少しも平和にならず、イラクも再興には長い時間がかかりそうであるし、さらにシリアは深刻な状況にある。


あれから十二年。
世界は何をしてきたし、何をやっていたんだろう。
平和の芽や希望の灯火もたくさんあると思う。
一方で、愚行や破壊も山のようになされてきた。


911になると思い出すのは、以前見た映画で、あんまり有名ではない映画なのだけれど、「9.11 あの日を忘れない」(原題"The Guys")という作品。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=320537 
とても心を打つ良い映画だった。


あるライターの人のところに、911で部下を失った消防隊員の人が来て、部下の弔辞を依頼する。
訥々と彼らのありし日の姿を語る消防隊員。
ライターは、その話を再構成し、胸を打つ弔辞にしていく。
その弔辞が、本当に胸を打つ言葉ばかりで、思わず涙なしには見れない映画だった。


どんな人の人生も、はかりしれない尊い価値があり、物語がある。
そのことをあの作品は語っていたのだと思う。


国と国、あるいは宗教と宗教、軍と軍とは、いろんな思惑や打算やいがみ合いがあるのだろう。
それは一朝一夕には解決しないものかもしれない。


しかし、世界の大半は、普通に生きている庶民であり、それらの人は、誰も同じ人間で、似たようなものだと思う。
皆、それぞれに日々に楽しみもあれば苦労もあり、生老病死の苦労や悲しみを抱えて生きている。


ごく当たり前のことだけれど、お互いに同じ人間として、無関心にならず、思いやりを持ちあうことしか、世界の傷は癒されず、破壊は止められないのだと思う。