Nスペ 「ママはイラクへ行った」

二年半ほど前、Nスペで「ママはイラクへ行った」という特集があった。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/080915.html

(以下はその番組を見た時の感想)

イラクの戦場に行った女性兵士たちのPTSDが特集されていた。

米軍は一割以上が女性兵士だそうで、女性兵士のうち三人に一人は母親だそうだ。

戦場から帰還後、子どもをかわいがることができないなどの症状が起きる事例が多いらしい。

その前の日には、男性兵士のPTSDが特集されていたが、男性も女性も、深刻なPTSDに悩まされる例が、今回のイラク戦争では随分多いようである。

もちろん、一番深く傷つき、多くの人が殺傷されたのはイラクの人たちなのだろうけれど、戦闘においては「勝者」であったはずのアメリカの兵隊たちもまた、心に深い傷を負った戦争だったのだろう。

結局、何のための戦争だったのだろう。
多くの人が死んだり、心に深手を負うだけの、何ひとつ良いことのない、不必要な戦争だったのではあるまいか。

あんな戦争を指導したアメリカのネオコンの人々の罪悪の深重さは計り知れないとあらためて思う。
また、そんなネオコンに、無責任に追従するばかりだったわが国の当時の指導者や、御用学者や、そんな指導者を支持しまくっていた愚民の責任もまた、ないわけではなくて、やはりその罪悪罪業は問われるべきものではないかと思う。

人間というのは、なんと罪悪深重の存在なのだろう。

勝者も敗者も、加害者も被害者も、魂には深い傷を負い苦しむというのが、戦争というものかもしれない。
特に「不義の戦争」はそうであろう。

もちろん、ビン・ラディンもだけれど、ブッシュやチェイニーやラムズフェルドやライスは、よほどのことがなければ、地獄堕ちは必定と思う。
これほどの苦痛を、イラクアメリカの無数の人々に負わせたし、負わせているのだから、地獄の責め苦は免れ得まい。

友だの同盟国だの言いつつ、きちんと苦言を呈することも全くせずに、無責任に誤った政策に追従していた人間も、その責任や罪業のいくばくかは担うべきのようにも思える。
どこかの国のブッシュのお友達だった指導者も、地獄でも御伴してプレスリーを踊ってキャッチボールをするべきではなかろうか。

「不義の戦争」ののこしたものは、あまりにも重く大きいと、あらためて思う。