(知人のどろさんが執筆した文章です。転載させていただきます。どろさんのこの御意見のような議論こそが、今の日本に一番必要なことではないかと思います。
米軍基地反対派は、もし反対するならば、単なる反対ではなく、どろさんのような論陣を展開すべきですし、日米同盟維持派も、もしどうしても日米同盟が抑止力に必要と言うのであれば、どろさんの指摘することを論破するきちんとした根拠を示さなければならないと思います。)
沖縄の批判受け、官房長官「甘受」発言撤回
http://www.news24.jp/articles/2010/12/14/04172369.html
消えた普天間の第36海兵航空群
日米統合合同演習のニュースをチェックしてきたけれど、分からないことがあります。
普天間の海兵隊はどんな役割を果たしたのでしょうか。
海兵隊のHPには動向が報道されていません。
http://www.pacom.mil/web/site_pages/media/news.shtml
演習の主役はエセックス遠征打撃群と第31海兵遠征団だということです。
第31海兵遠征団はキャンプハンセンですが、空母や強襲揚陸艦を待たなければ動けません。
エセックスはいつもは佐世保にいるので、演習に合わせて何日も掛けて航行してきました。
演習は空母GWが韓国から回航してくるのを待って行われました。
GWは普段なら横須賀にいます。
やはり沖縄に来るには何日もかかるでしょう。
緊急即応性と言ってもそんなものです。
普天間海兵航空隊の緊急展開能力なんか、らち外、出る幕がなかったと思います。
対中作戦に普天間部隊の出番なし
中国は米軍の戦略をつぎのように考えています。
第一は、中国の衛星及び情報システムに対する攻撃。これで中国軍の指揮コントロールシステムや攻撃能力を奪い、制空権、制海権を取る。
第二に、空母機動部隊の航空戦力で中国内陸のミサイル基地などの戦略中心に対して全縦深打撃を実施する。
第三に、中国海軍の潜水艦を攻撃し、壊滅させる。
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2010-11/28/content_21437771.htm
これで中国は手足をもがれて身動きできなくなります。
どこに海兵隊の出番があるでしょうか。
甘受するならご自分の選挙区にどうぞ
やはり普天間の第36海兵航空群の役割は、日本防衛ではありません。
米軍の選んだ目標に対して、米軍の望むときに投入する前方展開部隊、いわゆる殴り込み部隊なんです。
日本防衛のための部隊でないばかりか、抑止力でもありません。
抑止力というのは太平洋に於ける米軍の存在そのものであって、小さな部隊の個々が持っているわけではありません。
第36海兵航空群がグァムにいようとフィリピンにいようとかまわないのです。
仮に第36海兵航空群は必ずどこかにはいなければならないとしても、どうして過密な沖縄でなければならないのか。
米軍司令部は海兵隊が沖縄にいるのは戦略上の要請ではなく、代替地があれば明日にでも引っ越すと言いました。
が、政治家は選挙民が怖くて自分の所に誘致しようとしない。
ありていに言ってそれが真相でしょう。
日本のために海兵隊が必要なのだと言う日本の愛国的政治家や、軍拡論を奉ずる政治家先生達はたくさんいます。
こんな時こそ出番なのに、何をしているんでしょうか。
こんな状態で何が「甘受」だか。
米軍はマレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナムなどの東南アジア諸国及びオーストラリアで新たな基地を建設し、インドの軍事基地を借用することを計画しています。
沖縄ほど人口過密ではなく、騒音被害も生じない場所はあると思います。