首相対話せず 沖縄住民は失望
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101219k0000m040058000c.html
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普天間問題の事態打開に向け訪沖した菅直人首相は18日、日米合意した移設先・辺野古(沖縄県名護市)を上空から視察するなどして2日間の訪問を終えたが、過重な基地負担に苦しむ住民と直接対話することはなかった。民意とすれ違ったままの訪問に、県民からは「現場の生の声を聞くべきだ」との声が上がり、沖縄の失望と不信感は深まるばかりだ。 <<
決して鳩山さんが良かったとは思わないが、直接住民と対話したところだけは、鳩山さんはまだしも偉かったような気がしてきた。
菅さんよ、たとえどんなに厳しいことを言われようと、そこを決然と受けて、もしどうしても日米同盟が必要だというのであれば、その合理的な理由をきちんと説明し、合意には至らないとしても言葉を尽くして説明し、相手の言葉を聞くことが、民主主義の国の首相としては大切なことではないか。
結局、沖縄の人々にきちんと説明するだけの理由も知識も自らの中にないために、正々堂々と相手の前に立って対話することができないのではないか。
政治における正当性や権威の源泉は、民主主義の場合「アカウンタビリティ」(Accountability、説明責任)である。
きちんとした説明責任を果たすことができなければ、当然なんらの正当性も支持も得られるはずはないし、相手の納得も同意も得られない。
ただ甘受しろと言われても、なぜ甘受しなければならないのか、そこをきちんと説明できなければ、そして相手に直接真摯に説得できなければ、そもそも相手が納得するはずがない。
実際、海兵隊が日本の防衛に必要かどうかについては、大きな疑問の声も上がっている。
(参照:日米合同演習 普天間部隊はどこに (どろさんの日記から転載))
http://d.hatena.ne.jp/elkoravolo/20101216/1292507485
もし、どうしても沖縄に基地が必要だというのであれば、菅さんはその合理的な理由を粘り強く論拠をあげて説明する責任と義務があるだろう。
特に、沖縄の一般市民や自治体首長に対しては。
菅さんがどれほど迷走し、この体たらくでも、先の世論調査で国民の五人に一人はいまだに菅さんを信頼し、支持しようとしているのである。
これらの人々の期待や信頼を、どうかこれ以上裏切らないでほしい。
首相になる前に、長い間貴方が言っていた民主主義とは、いったい何だったのだろうか?
単なるスローガンや空文句に過ぎず、その実態や精神のなんら伴わないものだったのだろうか。
今からでも遅くはない。
もし己のアカウンタビリティの乏しさを恥じるまともさを持つのであれば、これからでもテレビや文書を通じて、熱心に国民に論拠をあげて説明する姿勢をきちんと示し、再び近いうちに沖縄に行って今度は住民と直接対話して欲しい。