釈大俊 「辞世」

釈大俊 「辞世」


三十余年夢惡真  三十余年 夢 いずくんぞ真ならん
吟哦風雪月花春  吟哦 風雪 月花の春
一朝夢覚忽帰去  一朝 夢覚めて 忽ち帰り去り
十万億程駕願輪  十万億程 願輪に駕せん


(大意)

三十余年の私の人生は、本当に夢のようだった。
どこに真実があったろうか。
(弥陀の本願のみが真実だった)

雪や月や花を歌い愛でた、春のように楽しい日々も、
無常の死が近づけば、たちまち夢から覚める。