平民社 「社会主義の歌」「社会主義の檄」


社会主義の歌」

富の鎖を解き棄てて、自由の国に入るは今、
正しき、清き、美しき、友よ手を取り立つは今。

山をもい抜く大力に、天地もどよむ声あげて、
歌へや博き愛の歌、進めや直き人の道。

迷信深く地に入りて、拓くに難き茨道、
毒言辛く襲ふとも、毒手苦しく責むるとも。

我身は常に大道の、ソシアリズムに捧げつつ、
励むは近き今日の業、望むは遠き世の光。

砲よ、剣よ、いつまでも、国と国とはせめげども、
我等は常に同胞の、四海友なる天の民。

頼むは結ぶ手の力、かざすは高き義の心、
富よ力よ地を占めて、よし今独り荒ぶるも。

滴たる汗に誠あり、打ちふる小手に命あり、
行かで止まめやこの歩み、成さで止まめやこの叫び。



社会主義の檄」

△世に金持あるがゆえに貧乏人あり、貧乏人あるがゆえに金持あり。
社会主義は金持と貧乏人とを併せてともに之を亡ぼさんとするものなり。

社会主義の世に金持なし。しかれども人民は皆富あり。
全国の富は皆人民の共有なればなり。
ゆえに社会主義の世には貧乏人あるを得ず。

社会主義の世は公園に弁当を開きて桜を見る家族のごとし。
その席は共有なり、その花は共有なり、その食物は共有なり。
しかしてその人は皆春風のうちに相和せり。

社会主義の世においては、相愛する者は自由に夫婦たるべく、相親しむ者は平等に朋友たるべし。
相知る者、相見る者、相遇う者、皆悉く兄弟姉妹たるべし。
しかして老人と小児とはすべて一国の宝として到る処に敬愛せらるべし。

社会主義は愛の旗を立つる者なり、兄弟の義を説く者なり、人類共同生活の理想を実現せんと欲する者なり。
しかしてその手段として土地資本の共有を主張する者なり。

△貧に悩める者よ、義に渇ける者よ、情に飢えたる者よ、速やかに来たって我が社会主義の光明に接せよ。

日本社会主義同志