以春風接人以秋霜自粛

今朝、最近買った岩波文庫佐藤一斎の『言志四録』を読んでいたら、その中の「言志後録」の箇所に、以下の言葉があって、ああそうだったんだぁと思った。
「春風をもって人に接し、秋霜をもって自ら粛(つつし)む。」
という言葉だけれど、高校時代、私の高校の校則に、よく似た言葉が書いてあった。
たしか、「春風をもって人に接し、秋霜をもって自らを律す。」と、少しアレンジして校則には載っていたと思う。
要は、人に優しく自分に厳しく、という意味だろうけれど、なかなか良い言葉だと思う。
論語ではないし、出典は何だろうかと思っていた。
山鹿語類に似たような言葉が出てきたのでそれかなぁとも思っていたが、言志後録のこの言葉の方がずっと近いので、たぶんこれが出典と思う。
あれから二十年ぐらい経って、自らを省みると、はたしてこの言葉を少しでも実践できてきたろうか。
どうも自分自身には甘く春風をもって接することがしばしばだったような気がする。
人には、おおむね春風をもって接しようとは心がけてきたつもりだけれど、時折、余裕のない時などは秋霜をもって人に接してしまったのではないかと反省させられる。
なるべく心がけたい言葉だと思う。