- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2001/11/22
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映画『日本の黒い夏 冤罪』(2001年度の作品)を見た。
松本サリン事件と河野義行さんを中心に、マスコミや警察のあり方について描いており、考えさせられる作品だった。
河野さんは自身も奥さんもサリン事件の被害者だったにもかかわらず、第一通報者だったことと、たまたま薬物の免許を持ち自宅にも複数の薬品があったことにより、警察からもマスコミからも犯人だと思いこまれたこと。
また、体調不良にもかかわらず過酷な質問にさらされたり、脅迫やいたずら電話の被害にさらされたことが、よく描かれていた。
この作品を見て、予断や思いこみというのがいかに恐ろしい危険なものか、あらためて考えざるを得なかった。
この社会のとんでもなさにあらためて暗澹とさせられるが、その一方で、河野さんのために尽力する弁護士や、ずっと変わらぬ友人もいたというエピソードには、救われる気がした。
また、長野のローカルテレビ局で、裏付けをとろうと慎重な姿勢をみせるテレビ局もあったようである。
最終的には、オウム真理教の犯行だったことがわかり、河野さんは全くの無関係だったことがわかったが、それまでの心痛や苦労ははかりしれないものがあったろう。
もともと、警察やマスコミが予断を排し、裏付けを慎重にとる姿勢をもっと持っていれば、河野さんのあれほどの苦労はもちろん、地下鉄サリン事件も防げたことだったのかもしれない。
多くの人に見て欲しい作品だと思う。