映画 「アラヤシキの住人たち」

映画「アラヤシキの住人たち」を見た。
とても良い映画だった。

長野にある「共働学舎」というもう何十年も続いている、農業を中心に共同生活をしているところを描いたドキュメンタリーである。

今の時代の日本にこんなところがあるんだと驚いた。
なんだか桃源郷のような、理想郷のような所。
美しい自然の中で、農業をしながら、本当に豊かな人間の暮らしがそこにはあると見ていて思えた。
そこで暮らしている方々は、質素だけれど、音楽や歌を愛し、仲良く、それぞれの役割があり、生活の中で、人間としての豊かさや愛が何か、特に言葉で何かを言うわけではないけれど、姿によって、誰よりも何よりも雄弁に語っている気がした。

世間だとハンディキャップがあるとされるであろう人たちも、
ごく自然になんのへだてもなく、
その人なりの個性や役割で一緒に暮らしている。
そして、それぞれの事情があるであろう集まってきた人々が、あれこれ理屈を言うわけではなく一緒に仲良く働いて生きてる様子がしみじみ描かれていた。

共働学舎の理念は、「競争社会ではなく協力社会を」ということだそうである。
競争ではなく協力し愛し合うところに本当に豊かな人間の暮らしがあるという考えだそうだ。
たしかに、大自然の中で、あのような暮らしをする中にこそ、人間の本当の幸せはあるのかもなぁと思われた。

「あなたという人は地球始まって以来、絶対いなかったはずです。
あなたという人は地球が滅びるまで出てこないはずなんです。
わたくしはそう思っています。」

という冒頭に紹介された、共働学舎をつくった宮嶋眞一郎さんの言葉は、とても心に響いた。

また、すべての存在には意味があり、役目があるというメッセージも。

多くの人にお勧めしたい、現代日本にもこんな場所があるんだということを教えてくれる、貴重なドキュメンタリー映画だと思う。

http://arayashiki-movie.jp/