映画 「ワルキューレ」

ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD]

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1944年に起こったヒトラー暗殺未遂事件「ワルキューレ作戦」を描いた映画。

ワルキューレ作戦の失敗後、処刑された人は二百人以上だったという。

「彼とは違うドイツ人がいたということを知らせたかった」という言葉は心に響く。

ヒトラーに抵抗し、なんとかドイツやヨーロッパを救おうとした勇気ある人々がいたこと。
そして、計画の裏切りもなく、かなりの人数が関わっていたにもかかわらず、密告もなく決行されたことはすごかったと思う。

ただ、ヒトラーのあまりの運の良さというか、どう考えても普通は死ぬはずの爆発を受けながら、奇跡的にヒトラーが軽傷で無事だったという事が、なんともあまりにも悲劇的過ぎた。

神はなぜワルキューレ作戦の勇気ある人々を見捨てたのか。
まだ時が満ちていないと思われたのか。
そんなことを見ながら思い、思わず呻かずにはいれなかった。

しかし、たとえその時代では報われなくても、彼らのように勇気ある人々は、きっと後世の人々を導き照らすのだと思う。

この映画ではちらっとしか描かれないが、このクーデター失敗後のナチスの裁判がひどいもので、なぜこれらの勇気ある人々があのような辱めを受けねばならなかったのかなんとも暗澹たる思いになるが、義人こそしばしば辱めを受け、一国の罪を贖うものなのかもしれない。

この事件のわずか九カ月後にはドイツは降伏したので、何もせずにおとなしくしていた方が良かったのだろうか。
いや、きっとそうではなく、こういう人々の思いの積み重ねが、そうした事態にまで世の中を導いたのだと思う。

にしても、ワルキューレ作戦の発動まで、爆破から三時間ロスしたというのは痛かったと思う。
仮にヒトラーが生き延びても、迅速にクーデターを決行すれば良かったのかもしれない。
なにごとも、果断と迅速さと、いろんな想定外の辞退にも対処する意思の統一が大事なんだろうなぁと見ながら思った。

思っていたよりも良い映画だった。