映画　「ゼロ・ダーク・サーティ」

重いが、すごい映画だった。

911テロのあと、十年をかけてビンラディンの居場所をつきとめ、殺害計画を実行したアメリカのＣＩＡの人々。

ＣＩＡのアルカイダの容疑者に対する取り調べの拷問の残酷さや、アルカイダによるロンドンやアフガンでのテロなどが、リアルに描かれていて、この世界の残酷さと重さをあらためてつきつけられる。

ビンラディンの居場所をつきとめるのはかくも大変で、また居場所がわかったあとも作戦の決行まで本当に大変で、作戦決行においても想定外のヘリの墜落など多くの現場の摩擦があったことがリアルに伝わってきた。

同時代にこんな出来事があったんだなと、あらためて考えさせられた。

同時代史を描いた一つの貴重な作品とは思う。

しかし、この世界に救いはあるのか、正義とは何なのか。
あるのは、ただ残酷な殺し合いだけなのではないか。
そんな疑問も、見ていると湧いてくる。

それでも、その中で、なんとか「正義」を実行していくしかないのかもしれない。