- 作者: ポール=ジャックボンゾン,相沢るつ子,Paul‐Jacques Bonzon,村上能成
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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良い作品だった。
以前、アニメ化されていて、そのアニメにとても感動したので、原作も読んでみたのだけれど、原作も感動して思わず最後は涙。
ただ、アニメと原作はかなり違っていて、ほとんど違う作品と言っていいいぐらい違う部分も多い。
なにせ、アポロも出てこないし、ポルフィとミーナが最初はオランダに行くし、しかもなんとミーナはノルウェーに行ってるし、再会するのもパリではなくて南仏である。
イラーリアやシチリアのマフィアやバーンズさんやティファニーやローズも登場しない。
だが、ポルフィのミーナに対する、ほとんどシスコンと言ってもいいぐらいの深い妹への兄の愛情は、原作にもアニメにも通底しているし、ギリシャの大地震と、あとパリでポルフィが働かされるほとんどブラック企業のクサロプーロス亭は共通である。
あと、なかなかミーナに会えない時に、くじけそうなポルフィの心に、
「お兄ちゃん、わたしを探して人生をむだに使わないですね。
いつまためぐり会えるか、わからないけど、そんな偶然なんかあてにしないで、やるべきことをやってね。
シミトラのおうちのことや、子どものころの夢のことをおぼえている?
お兄ちゃん、オランダで悲しんで、お兄ちゃんを苦しめたりして、ごめんなさい。」
と、テレパシーなのか、妄想なのか、ふと聞こえてきたミーナの言葉には、とても胸を打たれて思わず涙。
1955年ぐらいに原作は出版されていたそうだけれど、時代を超えて読み継がれて欲しい、名作と思う。