雑詩 傷

雑詩 傷


人の裏切りが、
月日が経っても深く心に傷となっている時に、


キリストも、愛する弟子から裏切られ、
どれほど悲しかったろうと、
はじめて思い至った。


人の心ない言葉が、
月日が経っても深く心に傷となっている時に、


キリストも、人々から嘲られ罵られた時に、
どれほど悲しかったろうと、
はじめて思い至った。


人の死が、
月日が経っても深く心に傷となっている時に、


キリストの死が、マリアや弟子たちにとって、
どれほど悲しかったろうと、
はじめて思い至った。


御身の悲しみと苦しみに近づくために、
人生の全てがあったならば、


私のとるにたらない悲しみも傷も、
すべては意味があることでした。


そして、私の悲しみも傷も、
すべてあらかじめ、
御身が担い、受けていたことにも、
はじめて思い至ったのでありました。