イェフダ・ハレヴィ詩集

「林檎」


あなたの愛しき身体は私を虜にしてきました。
あなたは私をある種の牢屋に閉じ込めました。
私たちが別れた日以来、
あなたのように美しいものを何も見つけられません。
そういうわけで、私は自分を熟れた林檎で慰めます。
その香りは、あなたの没薬のような息吹を、
あなたの胸の形を、あなたの色を、
あなたの頬によくさした色を、
私に思い出させます。


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「歌」

夕方の冷たい風に乗せて、
私は友への挨拶を送った。


私は友にあの日を忘れないことだけを頼んだ。
私たちが林檎の木で愛の約束をし、
別れたあの日のことだけを。






「瞑想」

どのくらいの間、君は身体にとどまるつもりなのかい?
夜明けは必ず終るもの。
年老いた天使たちを見てごらん。


束の間のものごとは払いのけたまえ、
鳥が夜露を払いのけるように。
ツバメのように飛んでいきたまえ、
日々の雑事という荒れ狂うこの海から。
そして、神を追い求めたまえ、
神の善なる徳に流れ込む、
魂の親しき交わりを求めて。





「魂に」

おお、子どもの胸の中で眠っている汝、そこでどれぐらいの間休むつもりか?知れ、若さは藁のように飛び散っていくことを。少年の日々が永遠に続くと思うのか?起きよ、外に出て見よ、汝を戒める、白髪頭の人々という先触れを。鳥が夜露を払いのけるように時を払いのけよ。ツバメのように飛びあがれ、荒れ狂う海のような、罪から解き放たれ、幸運の気まぐれから解放される自由を見つけるために。汝の王を追い求めよ、神の恵みに向かって集まる魂と一つになって。