「ゾーハル」


『ゾーハル』はカバラユダヤ神秘主義)の最も重要な古典。
非常に難解な文章で書かれているそうなのだけれど、とてもわかりやすい訳だった。
ゾーハルが全文日本語訳で読めるとは、本当にありがたい。


読んだ感想は、想像していたより、ずっと深く、味わい深いということだった。
トーラー(創世記・出エジプト記レビ記民数記申命記)への熱烈な愛が、とても素晴らしかったし、心に響いた。


特に印象的だったのは、以下のこと。


声に出して読むたびに、トーラーは新しくなる。


トーラーは家。
背けば閉じるが、向かえば開く。


トーラーの配偶者たらん、トーラーの恋人たらん、と思ってトーラーを学ぶこと。


トーラーの物語はトーラーの衣服であり、衣服の向こうに真髄がある。


神は常に自分が侮辱されるよりも、義人が侮辱されることに対して怒り、償いを求める。


魂には、ネフェシュ、ルーアハ、ネシャーマーの三種類がある。


夢で、清い心の人は天界に行き、覚えている覚えていないにかかわらず、良い教えを受ける。
一方、日中に心が汚染された人は、夢において天の至聖所に行くことができず、低いところをさまよって、戻ることになる。


上の領域(天界)と下の領域(地上)は関わり合っている。
上の覚醒は下の覚醒次第である。


トーラーは疲れた人への冷たい水である。


十戒と、天地創造の十の節の言葉は響き合い、重なり合っている。


祈りの掟は六つ。
御名を畏れること。主を愛すること。主を祝福すること。主を一つにすること。祭祀が民を祝福すること。主に魂を献げること。


アブラハムですら、一日でいっぺんに神への接近ができたわけではなく、生涯をかけて神に憧れ、一生涯を通じて行い、だんだんと神に近づいた。


トーラーに精励する人は、至聖に結びつくための時間に従事する。


などなど、とても啓発される、興味深い内容だった。


また、男女がそろい、夫婦がそろって、シェキーナー(神の臨在)が起る、ということが強調されていることは、とても興味深かった。


また、しばらくしてから繰り返し読み返したい。
世にも稀な本であることは、確かだと思う。