- 作者: Ernst M¨uller,エルンストミュラー,石丸昭二
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2012/07/01
- メディア: 単行本
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『ゾーハル』はカバラ(ユダヤ神秘主義)の最も重要な古典。
非常に難解な文章で書かれているそうなのだけれど、とてもわかりやすい訳だった。
ゾーハルが全文日本語訳で読めるとは、本当にありがたい。
読んだ感想は、想像していたより、ずっと深く、味わい深いということだった。
トーラー(創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記)への熱烈な愛が、とても素晴らしかったし、心に響いた。
特に印象的だったのは、以下のこと。
声に出して読むたびに、トーラーは新しくなる。
トーラーは家。
背けば閉じるが、向かえば開く。
トーラーの配偶者たらん、トーラーの恋人たらん、と思ってトーラーを学ぶこと。
トーラーの物語はトーラーの衣服であり、衣服の向こうに真髄がある。
神は常に自分が侮辱されるよりも、義人が侮辱されることに対して怒り、償いを求める。
魂には、ネフェシュ、ルーアハ、ネシャーマーの三種類がある。
夢で、清い心の人は天界に行き、覚えている覚えていないにかかわらず、良い教えを受ける。
一方、日中に心が汚染された人は、夢において天の至聖所に行くことができず、低いところをさまよって、戻ることになる。
上の領域(天界)と下の領域(地上)は関わり合っている。
上の覚醒は下の覚醒次第である。
トーラーは疲れた人への冷たい水である。
十戒と、天地創造の十の節の言葉は響き合い、重なり合っている。
祈りの掟は六つ。
御名を畏れること。主を愛すること。主を祝福すること。主を一つにすること。祭祀が民を祝福すること。主に魂を献げること。
アブラハムですら、一日でいっぺんに神への接近ができたわけではなく、生涯をかけて神に憧れ、一生涯を通じて行い、だんだんと神に近づいた。
トーラーに精励する人は、至聖に結びつくための時間に従事する。
などなど、とても啓発される、興味深い内容だった。
また、男女がそろい、夫婦がそろって、シェキーナー(神の臨在)が起る、ということが強調されていることは、とても興味深かった。
また、しばらくしてから繰り返し読み返したい。
世にも稀な本であることは、確かだと思う。