とてつもなく久しぶりに、たぶん二十年ぶりぐらいに、出エジプト記とレビ記と民数記を通読した。
部分はちょくちょく読むが、最初から最後まできちんと読みぬくは本当久しぶりだった。
最近、何冊か解説書を読んでいたので、以前に比べて、だいぶ読みが深まったと思う。
この前、申命記もひさしぶりに通読したので、これでモーゼ関連の主要な四つの書物を、久しぶりにきちんと読みなおすことができた。
読んで、以下のような感想を持った。
1、出エジプト記やレビ記を読んでいて、「償い」や「あがない」の思想がものすごく強いと感じた。
具体的な法規定や犠牲の祭式の手続きの背景にあるのは、必ずなんらかの罪やとがは、同等のもので償わなければならないという思想なのだと思う。
2、神と対話するモーゼの姿が印象的。しばしば、神の意志を変えさせようと巧みな交渉をし、粘り強く民のためにとりなすモーゼの姿がとても印象的だった。
モーゼのすごいところは、単に神に忠実なメッセンジャーというだけでなく、民のために神の怒りをやわらげ、命がけで自分の名誉や生命の書における記録よりも民の無事を願い、神と対話する姿勢にあったのだと思う。
3、祭祀の服装や祭儀用の器具が、非常にカラフルで美しいということが印象的。これらを復元したカラーの動画や絵画を、そのうち探してみたい。
他にも、細部に、それぞれはっとさせられるところや、とても感銘を受ける箇所がたくさんあった。
ユダヤ人はトーラーを毎日、一生読むそうだが、そのように読んでこそ、はじめて少しずつその味わいが深まっていくものなのだろう。
読むと不思議と元気になる気がする、本当に力強いメッセージに満ちた、不思議な書物だと思う。