絵本 「1つぶのおこめ」

1つぶのおこめ―さんすうのむかしばなし

1つぶのおこめ―さんすうのむかしばなし


とても良い絵本だった。

あるわがままな王様に、ある小さな女の子が、落ちていたお米を拾って渡したので、願い事をかなえようと言われる。

それで、最初の日に一粒のお米を、それから毎日前の日の二倍のお米を、三十日間ください、と願う。

王様は、なんだそれぐらいならば良い、と約束する。

すると…。

一の三十乗は、五億三千六百八十七万九百十二。
最初の日から合計すると、十億七千三百名十四万一千八百二十三粒。

それまで庶民からお米を巻き上げて一人だけ蔵にしまいこんでいた王様の蔵は、完全に空っぽになるぐらい、たくさんの米を女の子はもらうことになった。

生き生きとわかりやすく、乗数を教えてくれる、良い絵本だった。

この米の数は、考えてみれば、私たちの先祖の数でもある。
三十代前までさかのぼれば、どれほどの先祖たちがいたことになることか。