絵本 「平和を求めた人びと」


二十世紀の平和主義についてのいろんな事例がわかりやすく子供向けに書かれていて、面白かった。


恥ずかしながら、知らないこともいくつかあって、そんなことがあったんだととても感動させられた。


ひとつは、そういえば小耳に挟んだことはあった気がするが、ほとんどよく知らなかった「青い目の人形」(友情人形)の話。


二十世紀初頭、アメリカで排日移民法が成立し、日米間のお互いの感情が悪化しつつあった時に、ギューリックさんという長年日本に住んだことがあったアメリカ人の人が、日米の友好を願って、多くの人に呼びかけ、西洋人形をたくさん日本の子どもたちに送ったそうである。
その数は、なんと一万二千体以上にものぼったらしい。


日本の側でも感謝し、渋沢栄一らが中心になって、御礼に「答礼人形」という日本人形が五十八体、アメリカに送られ、各地で喜ばれたそうだ。


しかし、やがて日米の関係は悪化し、ついに戦争となった。
戦時中はとかくそういうことがあったようだが、この人形についても、焼却や破棄という方針が出されて、ほとんど燃やされてしまったそうである。


しかし、中には大切に隠して守る人々もいたそうで、三百二十体の友情人形が、今でも日本で確認され大事に保存されているそうだ。


アメリカでも、四十三体は無事に大事に受け継がれ、一時的に戦後になって日本に修理に出されたりしたそうである。


ギューリックらの思いが、無にならないような世にしていかんとなぁと思う。


また、この本に載ってて興味深かったのは、パリをナチスが占領した頃、ピカソはパリに住んでいたそうである。
ナチスから食料と灯油を提供しようと言われたそうだが、ピカソは断ったそうだ。
偉いもんだとあらためて思った。


いろんな、感心する話がまだまだあるものだと思う、良い一冊だった。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E3%81%84%E7%9B%AE%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%BD%A2