絵本 「いのちの木」

いのちの木―もしも地球の生きものが一枚の葉だったら

いのちの木―もしも地球の生きものが一枚の葉だったら


この地球には、百七十五万種のいのちがあるそうである。
それを、百七十五万枚の葉っぱを持つ「いのちの木」だと考えた場合、どうなるかをわかりやすくこの絵本はいろんな絵とともに教えてくれる。


いのちの木は五本の大きな枝を持つ。
モネラ界(細菌)、菌界、原生生物界(藻類やアメーバなどの原生動物)、植物界、動物界である。


モネラ界は一万種、菌界は七万二千種、原生生物界は八万種、植物界は二十七万種、動物界は百三十一万八千種。


動物界のうち、無脊椎動物は百二十六万五千五百種、脊椎動物は五万二千五百種。
脊椎動物の中で、魚類が二万五千百種、鳥類が九千八百種、爬虫類が八千種、両生類が四千九百六十種、哺乳類が四千六百四十種。


人類は、哺乳類四千六百四十種の中の一種。
脊椎動物五万二千五百種の中の一種。
動物界百三十一万八千種の中の一種。
いのちの木をつくっている百七十五万種のいのちの中の一種である。


いかにすべての種が支え合い、この微妙ないのちの木をつくっているか。


しかし、現在、毎年二万七千種の生きものが地球から消えていっているそうである。


食物連鎖や生態系の微妙なバランスが続くために、生物多様性が保たれるように、これ以上の乱開発をなんとか避けて、この素晴らしいいのちの木がずっと続いていって欲しい。
この一冊を読むと、誰もがそう願わずにはおれないだろう。
素晴らしい絵本だった。