絵本 「お父さんへの千羽鶴」

お父さんへの千羽鶴

お父さんへの千羽鶴


とても胸打たれる絵本だった。

特攻隊の出撃を前に、三日間、家に帰ることが許されたお父さん。

おじいちゃんおばあちゃん、奥さん、それにまだ小さな子どもたちは、白い折鶴を折って千羽鶴をつくってくれていた。

その千羽鶴を持って、お父さんは出撃する。

みんな本当は生きて帰りたかっただろうに、愛する家族を守るため、特攻隊の人々は出撃していった。

どれほどか無念で、悲しかったことだろう。

しかし、その勇気と無私の心は、本当に崇高なものだったと思う。

ほとんどの特攻機は、相手の艦船にたどり着くまでに米軍に撃ち落されてしまったが、時折ごく稀に敵艦に突撃して打撃を与える特攻機もあったという。

この絵本の主人公のお父さんのような方々だったのだろうと思う。

なかなかどの出版社も出版してくれなかった中で、何十社も作者の方がこの原稿を持ち込み、やっとこの出版社から出版できたそうである。

このお父さんや家族のような心を、後世の日本は忘れてはならないと思う。