絵本 「ケイコちゃんごめんね」

ケイコちゃんごめんね (1983年) (絵本・子どもの世界)

ケイコちゃんごめんね (1983年) (絵本・子どもの世界)


心に残る一冊だった。

作者の方が、実際に広島に原爆が落ちた日に出会った男の子と女の子のことが描かれている。

背中に大きなケガをしながら、必死に自転車をこいで妹を後ろに乗せて走っていた男の子。

しかし、その妹はやがて息を引き取り、男の子は水を欲しがり、作者の方は薬と水を探しに行き、とって帰ってきたときには男の子はもう死んでいた。

女の子は、「けいこ」という名前だけが服に書いてあり、男の子は名前もわからない。

どこに住んでいたかも今となってはわからない。

あまりにも哀れな話であるが、戦争とはこのように悲しいものだということを、この本とともに、多くの人は記憶にとどめるべきなのだろう。