- 作者: 大川悦生,宮崎耕平
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1983/05
- メディア: 単行本
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戦後もだいぶ経った頃、東京からやってきた少年が、不思議な少女と出会う。
その女の子は、昔、原爆で亡くなった女の子だった…。
幻想的な、とても心に残る、良い作品だった。
「自分から聞こうとしなければ、聞こえるものでも聞こえない。」
というメッセージは、本当にそのとおりだと考えさせられた。
あの日、人も、蝉も、多くが焼き殺されたのだろう。
一見、すべて平和になり、忘れ去られたような世の中になっていても、耳を傾ければ、今もあの日の声が土の下から聞こえることもあるのかもしれない。
せめても精霊流しでもしなければ、なんとも気の毒な歴史だと思う。