絵本 「みえないばくだん」

みえないばくだん

みえないばくだん


昔、戦争があった。


それから何十年経って、偉い人たちが便利になるものをつくった。


しかし、それは、「爆弾になるもの」だった。


便利さやお金のために、人々はその「爆弾になるもの」を田舎にせっせとつくった。


安全だと偉い人たちは言っていた。


しかし、大きな地震津波により、「爆弾になるもの」は本当に「見えない爆弾」になった。


その土地は人が住めなくなり、目に見えない危険がずっと人々に影響や脅威を与えていく…。


特定の場所や時代を示してはないが、これを読んだ人は、誰もが戦後の日本の長い原発行政と311の東日本大震災とその後の福島第一原発の事故を連想せずにはいれないだろう。


そして、そのことを、くっきりと絵本として示してあり、あの事件が何だったのか、あらためて人々にわかりやすく示している。


自分が生きている間だけ幸せならばそれでも良いのか。
未来の子どもたちは、どうして「見えない爆弾」をつくったのか、まだそれは日本にあるのか、と問うかもしれない。


三一一のあと、当時の首相は脱原発を明言したが、その後、その方針は覆され、早くも日本は昔のような原発再稼働と原発政策に戻りつつあるようである。


この絵本は、子どもというより、大人が読んで考えねばならないのかもしれない。


youtube上にも、この絵本の全ての内容がアップされているが、しかし、出版されているものは少しラストを変えて出版しているそうである。


http://www.youtube.com/watch?v=7k8DtTzna5c