絵本 「小学生になる日」

小学生になる日

小学生になる日


祖母の家にひとりで遊びに来た主人公の女の子が、祖母に会う前に、自分と同い年ぐらいの女の子と出会い、友達になる。

今度の四月から二人とも小学校にあがるということで、人気のない校舎を二人で散策する。

やがて、その女の子と別れて、祖母との待ち合わせに行く。

祖母が、もうすぐ取り壊されるという古い小学校の校舎を歩きながら説明してくれて、自分には実は、今のちょうど主人公の女の子と同い年ぐらいの妹がいたが、あの日広島の原爆で死んでしまった、と語る。

その子はこんな顔の、こんな格好の子だった?

とたずねると、どうして知っているの?と祖母は驚きながら答えた。

その妹の子も、四月から小学校に行くことをとても楽しみにしていたのだと。

幻想的な、心に残る、そして涙なくしては読めない絵本だった。