絵本 「はまなすのおかのきたきつね」

はまなすのおかのきたきつね

はまなすのおかのきたきつね


きたきつねの四人兄弟の中で、一番身体が小さな主人公は、なかなか親がえさを持ってきてくれても、他の兄弟がすぐに食べてしまい、食べることができない。

取っ組み合って、兄弟で遊ぶ時も、いつも負けてばかり。、

おなかをすかせて、困っていたら、ある夜、お父さんが、他のみんなが寝ている時に、目で合図する。

そして、ついていくと、魚を持ってきて食べさせてくれた。

はまなすの花の咲く丘での、父と子のきつねの姿は、心あたたまるものがあった。

やがて大きくなった主人公は、他の兄弟と同様に、逞しく自分の力で生きていけるようになる。

あとがきの解説に書いてあったが、実際、きたきつねの父親は、公平だしリーダーの役目をよく果たすことが多くて、この物語も自然の生態に沿って書いた物語だそうだ。

よく、生存競争ということが人間の社会に当てはめて経済の世界などで言われるが、意外と自然界は、決して弱者の落伍を見捨てるような冷たいものではなく、皆を生かそうとするものなのかもしれない。