絵本 「あざらしのはる」

あざらしのはる (北に生きるかしこい動物たち)

あざらしのはる (北に生きるかしこい動物たち)


数ある手島圭三郎の北国の動物を描いた絵本の中でも、あざらしのあかちゃんがあまりにもかわいくて、そのためにとても心に残る良い絵本だった。

ざらしのあかちゃんは、生まれてから三週間の間だけ白い毛で、氷と色が同じで天敵から見えにくくなって身を守っているそうである。

ざらしの母乳は牛乳の十倍も脂肪分が含まれているそうで、とても栄養が高く、すぐに成長するようにできているそうだ。

この絵本では、いかにあざらしが子どもをかわいがり、子どもも親とともにだんだんと成長し、吹雪やワシやきつねの攻撃を乗り越えて、無事に成長していく様子が描かれている。

一頭のあざらしのあかちゃんが成長するまでに、いかに多くの親の愛があることだろう。
それは人間や他の種も同じかもしれないが、あらためて胸打たれるものがある。