安倍さんの訪米でのコメントへの違和感


今回の安倍さんの訪米後のコメントで、一番違和感があるのは、以下の言葉。

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安倍首相は会見で「この3年間で著しく損なわれた日米の絆と信頼を取り戻し、日米同盟が完全に復活した」と胸を張った。
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http://news24.jp/articles/2013/02/23/04223653.html


いまいち意味がよくわからない。
野田政権も日米協力イニシアティブなど発表していたし、もともと日米同盟は強い絆だったので「復活」も何も。


安倍さんは、やたらと民主党政権で日米同盟がガタガタになったというが、あれは何かの思い込みではなかろうか。
菅政権の時の311後のアメリカの協力や、野田政権のもとでの日米協力イニシアティブなど、もともと日米同盟は強固なものだ。
鳩山さんの時にゴタゴタがあったのは事実だがとっくの昔の事。


自民党が野党の時に、与党を攻撃するレトリックとして、日米同盟を最重要視し、多少その中の是正を図る民主党を攻撃するのは、それはそれで自民党としてはありえる戦略だったろう。
しかし、レトリックを本気で思いこんでいるならば、一般大衆とあまりレベルが変わらない。
もはや政権与党なのだから、このようにあまりにも事実とかけ離れたレトリックばかりを、しかもアメリカで言うことは、極めて疑問である。


こんなことで、本当にTPPで一部品目について関税撤廃を回避できるのだろうか。
もし安倍さんが本当にそれを実現しようとしたら、より一層アメリカに忠勤を励む自民党の政治家から葬り去られて、安倍さんが言う「この3年間」にこれからの安倍政権の日々もカウントされることになるかもしれない。
いや、やはり安倍さんは、TPPでは聖域なき関税撤廃を実現し、アメリカに忠義一筋に励むのだろう。


TPPについては賛否両論あり、賛成論者にもそれはそれなりに理由と言い分はある。
それはそれでいいのだが、この前の選挙の時にせっせと自民党に忠義を励み、この自民党の圧勝の大きな土台となったJAや農家の方々、自分で墓穴を掘ったと今は少しずつ気付いているだろうか。