京都旅行記 その2 東福寺

京都旅行記 その2 東福寺


泉涌寺から数分歩くと、東福寺がある。


白塗りの壁のお寺の塀が続いている。
とても風情のあるたたずまいだ。


その範囲の広大なこと、あたかも中世の中に入っていったような気がするすばらしい風景が、とてつもなく広大に続いている。


風情のある禅寺というのは、日本にはたしかにあちこちあるが、これほど広大なところは他にないのではなかろうか。


まず霊雲院の庭園へ。
ここは重森三玲がつくった庭園だという。


たしかに、とてもすばらしかった。
のんびり、ここで庭を見ながら過ごしていると、なんだか宇宙を感じるような気がした。


それから、臥雲橋に来て、しばらくのんびりと向かい側に見える通天橋や川や緑を見て過ごした。
その日は暑かったけれど、とても涼しい気持ちになった。


それから、本堂のあたりの建築群を眺めて、方丈庭園へ。
方丈庭園も重森三玲の作庭の、とても有名な庭園だけれど、たしかにとても面白かった。



通天橋を通って、開山堂に行った。
このあたりはとても緑が多く、涼しげな良い雰囲気だった。

なんというか、禅や日本庭園というのは、ひとつの文化なんだとあらためて感じた。
奥深い宇宙を表現し、味わうための、ひとつの技法なのだろう。
あれこれ理屈をこねるより、ゆっくりと東福寺の境内や庭園を歩いた方が、心が静まることもあるのかもしれない。
もちろん、そこから発展して、自分で結跏趺坐して坐禅をするようになれば、さらにすばらしいのだろう。
禅の道場も奥の方にあるようで、こんなところで静かに坐禅に打ち込めたら、さぞかし幸せだろうなぁという気がした。


それから、芬陀院の庭園を見た。
ここは雪舟の作庭によるそうで、後世の重森三玲の庭園に比べると、シンプルで素朴な感じだった。
だが、なんとなく、そこにまた味わいがあるようで、どことなくほのぼのした趣も感じた。


私は今回は、泉涌寺が目的で、東福寺は近くに来たから行ってみただけだったのだけれど、思いもよらずとても良いところだった。
また行ってみたい、静かな場所だった。
ただ、惜しむらくは、人が多いところだろうか。
シーズンはさらに多いのだろう。
開館の前の時間などにいつか一人で味わうことができたら、さぞかし良いんだろうなぁ。