消費税増税分を富裕層への課税強化や公務員の給与・手当削減で捻出できるかについて

消費税の増税でなく、富裕層への課税強化や公務員の各種手当・人件費削減で対応しろという意見を時折見る。


しかし、まず、富裕層への課税強化だが、以下のブログが試算をして面白い結果を記している。
http://www.muratatax.com/2012/03/post-186.html


つまり、富裕層に対して所得税累進課税率を60%にして課税強化をしても、せいぜい4000億円ぐらいしか税収は増えないというわけだ。
12~13兆円の消費税税収に遠く及ばない。
75%に所得税の累進税率を上げれば、このブログが指摘しているとおり、海外に富裕層が流出する可能性が高く、どのみち実効性はないと思われる。


また、公務員の人件費だが、以下に資料がある。
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan007.pdf


自衛隊を除く国家公務員の人件費の総額が3兆122億円。
つまり、国家公務員の人件費をゼロにしても、とても消費税増税分の財源を捻出できない。
ましてや、減給や手当カットぐらいでは追いつかないのは明白。


以下のパンフレットも、財務省から出ているものだが、わが国の財政の統計や推移がわかりやすく載っていて面白かった。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei24/index.htm


また、こっちは財政についての資料だが、この中の「3」に、国の財政を家計にたとえる資料が載っていて、時折見かけるけれど、あらためて「うーむ・・・」と考え込まされる。
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014_23.pdf


こうした現実を見ずに、根拠もあげずに、ただ増税に反対しても、それは国債の乱発を結果するだけで、ギリシャ危機の二の舞になりかねない。
政治は先送りや非現実的な現実逃避であってはなるまい。
同時代と未来の世代に対して、私たちには責任がある。
官僚や政治家に人任せにするのではなく、自分自身で考える必要がある。


小沢派が言っていることに根拠があるのか、各自自分自身で、各種統計資料にきちんとあたって、理性を用いて考えてみる必要があるだろう。