野田叩きの人は御一考を

これほどの財政赤字がなく、高齢化社会に対する備えがあれば、別に消費税を増税しなくても済んだかもしれない。
財政赤字と毎年一兆円増える社会保障費から、野田政権は消費税増税を決断した。
増税を憎む人が、この原因をつくった歴代自民党政権には文句を言わず、野田さんばかり憎むのは不可解だ。


また、これほどの財政赤字の原因をつくった歴代自民党政権の中枢にかつており、また自自公連立政権でもやはり中枢にいて、大盤振る舞いの公共事業により財政赤字の原因をつくってきた当の責任者である小沢さんを、消費税を憎む生活党支持者がもろ手を挙げて賛美するのも不可解なことだ。


要するに、いつも目の前にある現象だけを見て、その背後にある原因や、今までの経緯や歴史を知らないし見ない人があまりにも今の日本には多いのかもしれない。
大事なことは、今までの経緯や歴史をはっきりと知ろうとし、知ったうえで自分の頭で考えることだろう。


政権交代で国民がNOを言ったのは、小泉政治
つまり、消費税を上げない代わりに社会保障を圧縮する政治だったはずだ。
野田政権は、安定した社会保障を維持するために消費税増税を行い、かつ社会保障充実のための改革を行った。
この違いがわからず、野田政権を第二自民党と言う人々は何なのだろう。


竹中平蔵さんは、維新の会の橋下さんをとても誉めていた。
みんなの党は、基本的には竹中平蔵さんの政策を推進しようとする政党だろう。
次の選挙後、自民がこの二つと連立を組むならば、次の自民・維新・みんなの党の連立政権は、実質的に竹中平蔵さんの思想や政策の方向性の政権になるだろう。


竹中さんが小泉政権で行ったことは、競争重視と財政再建のための社会保障の圧縮だった。
それはそれで筋は通っている。
それなりの成果もあったろう。
しかし、中間層の崩壊は進んだ。2009年の政権交代は、そうした世の中ではなく、安心できる社会を目指して行われたはずだった。


民主党は2009年から今まで、社会保障分野では地道に成果をあげてきた。
マスコミのネガキャンに惑わされず、各自が自分の目と頭で、その事実をはっきり見て、その上で考えるべきだろう。
自殺者数は大きく減ってきた。
次の選挙で「競争重視」の政権ができた時に、その数はどう変化するだろう。


生活党支持者には気付いてもらいたいが、民主党と生活党の候補で票が割れれば、当選するのは自民・維新の候補者である。
野田叩きに狂奔すれば、漁夫の利を得るのは自民・維新である。
その結果できあがるのは、「競争重視」の竹中平蔵さん的な政府の復活だろう。