新渡戸稲造 「自警」(自分のための生きがい)

新渡戸稲造の『自警』の現代語訳を、十数年ぶりぐらいに読んだ。
すばらしかった。


このところ落ち込みがひどかったが、めきっと心が元気になった気がする。
こんなに良い本だったのだなぁ。


己に克つことや自分を信じることの大切さ。


他人の目より自分の基準を持つことの大切さ。


高い理想を持つことの大切さ、などなどを、とても平明なことばでわかりやすく説いてあり、すっかり忘れていたので、本当にあらためて多くのことを教えられた。


また、


「思慮のない熱心ほど始末の悪いものはない」


好き嫌いと善悪を区別すべきこと。


「備えある者にしかいいチャンスはめぐってこない」


感情を入れると邪魔ところには感情を入れない。


人はおのおのその心の構造が異なっている。


自分の夢を実行に翻訳するのが人生。


などといったメッセージにも、なるほどーっと思った。


また、時折、「自分ははたして青年時代の理想に近づきつつあるか?」と問い直すことが、心を若く保ち、高い理想を失わずに生きていくために大切な心の掃除だと述べられていて、なるほどーっと思った。


で、私はこの本を昔読んだ高校生の時に、何を理想にしていたのだろう、と思っていたら、なんとこの本に挟んであった「自警」という自分のメモが出てきた。


明かに当時の自分の字で鉛筆書きで、


「文章を修行すること」
「人格を修養すること」
「自己を実現すること」


という三つがメモしてあって、他に論語や聖書の言葉の抜粋が書いてあった。
うぉ、俺はこんなことを高校時代は理想にしていたのか…。


新渡戸さんが言っているような、心の掃除を、時折はこれから心がけていくことにしよう。


とても良い本だった。