
- 作者: プーシキン,神西清
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/04/15
- メディア: 文庫
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プーシキンの「スペードの女王」は、本当面白かった。
ひさびさに手に汗握る小説を読んだ気がする。
この主人公のゲルマンもまた、オネーギンと同じぐらい愚かだなぁと思う。
リザヴェータに真心を尽くしてれば、愛をこそ大事にしていれば、幸せになれたはずなのに。
とはいえ、破滅もひっくるめて、手に汗握らせるこの面白さは、めったにないすぐれた短編と思う。
また、この岩波文庫には、「ベールキン物語」も収録されていて、とても面白かった。
「ベールキン物語」は短編が五つ収録されているもので、特に「吹雪」と「百姓令嬢」は、なんだかとてもいいなぁと思わされる作品だった。
プーシキンの描く人々は、その愚かさや滑稽さもひっくるめて、なんときらきらと輝いていることだろう。