「いつしかと 君にと思いし 若菜をば 法の道にぞ 今日は摘みつる」(村上天皇)
「ひとたびも 聞きし御法を 種として 仏の身とぞ 誰もなりぬる」(崇徳天皇)
「降る雪は 谷のとぼそを 埋むとも 三世の仏の 日や照らすらむ」(崇徳天皇)
「さまざまに 千々の草木の 程はあれど ひとつの雨にぞ 恵みそめぬる」(崇徳天皇)
「長き夜の 心のやみも しるべせよ なお残りける 法の灯火」(後嵯峨天皇)
「雲間より いざよふ月に あくがれて いとど西にも 往く心かな」(後嵯峨天皇)
「厭うとも 歎くともなに 仮初の うき世にやどる わが身と思へば」(花園天皇)
「耳に聞き 目に見る事の 一つだに 法の外なる 物やなからむ」(後水尾天皇)
「おもへこの 身をうけながら 法の道 ふみも見ざらん 人は人かは」(後水尾天皇)
「阿弥陀仏(あみだぶ)と となふる声に 夢さめて 西へながるる 月をこそ見れ」(選子内親王)
「九品(ここのしな) 咲き開くなる 蓮葉(はちすば)の 上の上なる 身ともならばや」(選子内親王)
「寝る夜なく 法を求めし 人も有るを 夢のうちにて 過ごす身ぞ憂き」(選子内親王)
「いかにして 知るも知らぬも 世の人の 蓮(はちす)の上に 友となしけむ」(選子内親王)
「我をしれ 釈迦牟尼仏 世に出でて さやけき月の 世を照らすとは」(春日明神)
「つくづくと 思ひしとけば ただひとつ 菩提の道と この山のうち」(春日明神)