- 作者: 白取春彦
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/01/12
- メディア: ペーパーバック
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ベストセラーになっていた本だけれど、たしかに良い本だった。
うなずいたり、なるほどーっと思ったり、たしかになぁと思う言葉の数々が、とてもわかりやすく散りばめられている。
ニーチェは今もって毀誉褒貶や誤解の多い思想家ではあるが、この本はとっかかりとしてとても良いかもしれないし、いかにニーチェが大らかな、公正な、気高い精神の持ち主だったかわかる。
特に心に響いたのは、以下の二つの節だった。
009「自分の行為は世界に響いている」
自分のどんな行為も、他の行為や考え、決断などの誘因になっている。もしくは大きな影響を与えている。その行為がまったく何も影響を及ぼしていないことはない。
自分の行為によっていったん起きた事柄は、いつもなんらかの仕方で次に起きる事柄としっかりと結びついているのだ。遠い過去の昔の人々の行為でさえ、現在の事柄に強く弱く関連している。
すべての行為や運動は不死なのだ。そしてどんな人間のどんな小さな行為も不死だと言えるのだ。つまり、実はわたしたちは、永遠に生き続けているのだ。
056 「日々の歴史をつくる」
わたしたちは歴史というものを自分とはほとんど、関係のない遠く離れたもののように思っている。あるいは、図書館に並んだ古びた書物の中にあるもののように感じている。
しかし、わたしたちひとりひとりにも確かな歴史があるのだ。それは、日々の歴史だ。今のこの一日に、自分が何をどのように行うかが、この日々の歴史の一頁分になるのだ。
おじけづいて着手せずにこの一日を終えるのか、怠惰のまま送ってしまうのか、あるいは勇猛にチャレンジしてみるのか、きのうよりもずっとうまく工夫して何かを行うのか、その態度のひとつひとつが、自分の日々の歴史をつくるのだ。
また、「自分の夢に責任を持て」というメッセージは、作品や仕事は自分の持っている力の四分の三ほどで完成させるべき、というメッセージも、なるほどぉと思った。
また、自分自身が成長し変化している人は、同じことを持ち続けても少しも飽きない、ということや、
独創的な人間とは、皆の眼のまえにすでにありありふれていることを新しく名づけ提示できる人のこと、
というのも、なるほどと思った。
新しく何かを始めるコツは「最後まで広い愛を持つ」ということも、なるほどなぁと思った。
読むべき書物とは、
・読む前と後でまったく世界が違って見える本。
・この世の彼方へ連れて行ってくれる本。
・心が洗われる本。
・新しい知恵や勇気を与えてくれる本。
・愛や美について新しい認識、新しい眼を与えくれる本。
というのも、なるほどなぁと思った。
自分がどういう人間か理解するためには、
・これまで自分が真実に愛したものは何であったか。
・自分の魂を高みに上げたものが何であったか。
・何が自分の心を満たし喜ばせたか。
・これまでどういうものに自分は夢中になったか。
を考えるべきというアドヴァイスも、なるほど〜っと思った。
ほんの三、四時間もあれば通読できるほど読みやすいので、多くの人に一読をオススメしたい。