戦争と美術1937-1945



すごい一冊。
こんなにも数多く、第二次大戦をリアルタイムで描いた作品が日本にあったのだということに、とても驚かされる。
日ごろあまり見ない、いわば封印された、戦争についての日本の絵画や芸術作品の数々。

たしかに、戦意高揚を目的としたものやプロパガンダっぽいものも中にはあるが、大半は思っていたほどそうではない。
むしろ、冷静に戦争の現実を凝視したり、画家が自分の実存や時代の現実と真摯に向き合って描いていることが伝わってくる作品が多いと思う。

こんな場面があったんだ、ということを教えてくれる絵画も多々。

白黒の写真や映像より、場合によっては当時の息吹を伝えてくれる作品も多いと思う。

日本の美術史に対するイメージも変える一冊だと思う。