絵本 「シェイクスピア劇場」

繪本 シェイクスピア劇場

繪本 シェイクスピア劇場

シェイクスピアの史劇・悲劇・喜劇のすべて、合わせて三十七作品について、それぞれの名場面の絵と、各作品の簡単なあらすじをまとめた絵本。


以前、ほとんどのシェイクスピアの作品は、小田島訳や福田訳で読んだつもりだったが、この絵本を読んでたら、いくつかまだ読んでない面白そうな作品があって、あらためて興味がそそられた。


それにしても、シリアスなものも、軽いお笑いも、自由自在に繰り出すシェイクスピアのこの豊饒な世界はいったい何なのだろう。
文学におけるモーツアルトと言えばいいのだろうか。


『間違いの喜劇』『ペリクリーズ』『シンベリン』は、まだ読んだことがないし面白そうなので、今度読んでみよう。


あと、あらためて、シェイクスピアは真っ向から、薔薇戦争の歴史をさまざまな作品を通して描いていることに感心した。


きっとこの三十七作品は、一見ばらばらで無関係なように見えて、実はイギリスや地中海世界を貫いて、人間というもののあらゆる姿を描いたタペストリーみたいなものだったのだろう。


昔読んだけれど、『コリオレーナス』と『アテネのタイモン』がまた読みたくなった。