現代語私訳 善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門)第十九 二十 二十一 二十二節 

現代語私訳 善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門)第十九 二十 二十一 二十二節 




第十九節


また、般舟三昧経の「行品」の中に、このような意味のことが説かれています。
釈尊は、跋陀和菩薩におっしゃいました。「もしある人が、七日七夜道場の中で、さまざまな関わりを捨てて、睡眠もとらず、一心に専ら阿弥陀如来の純粋な金色の御身体を念じて、一日・三日・七日、あるいは十四日、三十五日、四十二日、四十九日、あるいは百日まで、あるいは一生を尽くして、真心をこめて阿弥陀如来を観想し、および口に称え心に念じれば、阿弥陀如来は慈悲の心で受けいれ、おさめとってくださいます。」と。
すでに受け入れておさめとっていただいたならば、罪は滅されて浄土に往生できるということを間違いなく知ります。
釈尊はおっしゃいました。「もしある人が、専らこの阿弥陀如来に集中して念じる観想や念仏を行うならば、いつもあらゆる神々や持国天増長天広目天毘沙門天の四天王や、竜神八部衆が、影が身に添うように寄り添って守ってくださり、その人と優しく楽しく会ってくださいます。そして、悪い鬼神たちが、災いや妨げや困難をその人に与えて、唐突に悩みを与え心を乱すことがもはやないようにしてくださいます。」と。
詳しくは般舟三昧経の「擁護品」の中に説かれています。これも、この現在においていつも人生で阿弥陀如来や諸仏諸菩薩に護られる縁(現生護念増上縁)です。


第二十節


また、灌頂経の第三巻にこのような意味のことが説かれています。
「もし、ある人が仏法僧に帰依し五戒を守るならば、仏は帝釈天にこのように命じています。「帝釈天よ、あなたは天の神々六十一人を派遣して、日夜毎年毎月どんな時にも、五戒を受け保つ人に付き従わせ守護させ、さまざまな悪い鬼神が、唐突にその人を悩ましたり危害を加えることができないようにしなさい。」と。
これも、この現在においていつも人生で阿弥陀如来や諸仏諸菩薩に護られる縁(現生護念増上縁)です。


二十一節


また、浄度三昧経にはこう説かれています。
釈尊は、ビンビサーラ王におっしゃいました。「もし、ある男性や女性が、毎月のウポーサタの日(八斎戒を守る日のこと)および立春春分立夏夏至立秋秋分立冬冬至の八つの季節の変わり目において、天の神々や地獄の閻魔大王などの、あらゆる輪廻によって生まれ変わっていく先の世界の尊い方々に対して、自らの過ちを懺悔して八斎戒を受け保てば、釈尊は六つの天界の王に命じます。「それぞれ二十五の善い神々を派遣して、いつもやって来て戒を守る人々に付き従い守らせます。また、さまざまな悪い鬼神たちの横にやって来て、戒を守る人を悩ませたり危害を加えるようなことがないようにさせます。また、不慮の病や死、災いや妨げがないようにさせ、いつも安穏に過ごせるようにさせます。」」」と。これも、この現在においていつも人生で阿弥陀如来や諸仏諸菩薩に護られる縁(現生護念増上縁)です。


第二十二節


また、さまざまな念仏者に申し上げます。ただこの現在の人生において、日夜に続けて専ら阿弥陀如来を念じ、専ら阿弥陀経を読誦し、浄土の聖なる方々や浄土の荘厳を讃歎し礼拝し、浄土に往生することを願い欲するならば、毎日阿弥陀経を十五回、二十回・三十回以上、あるいは四十回・五十回・百回以上読誦し、十万回を達成することを願い、満たしなさい。
また、阿弥陀如来の浄土における、阿弥陀如来の御姿と浄土の二つの荘厳を讃歎し礼拝し、観想や念仏に集中するための道場に入っている時を除いて、毎日一万回南無阿弥陀仏の念仏をし、命が尽きるまで継続する人は、阿弥陀如来の御加護を受け、罪業の障りを除くことができます。
また、阿弥陀如来は、浄土の聖なる方々とともにいつも来て心にかけて守ってくださいます。
すでに心にかけて守っていただいているので、寿命が伸び、長生きして幸せに生きていくことができます。
因縁のそれぞれの詳しいことは、譬喩経や惟無三昧経や浄度三昧経などに説かれています。

これも、この現在においていつも人生で阿弥陀如来や諸仏諸菩薩に護られる縁(現生護念増上縁)です。