- 作者: 武者小路実篤
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/11
- メディア: 新書
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ふと、だいぶ前に買っていて、読んでいなかったのを、本棚から引っ張り出して読んでみた。
白樺派はなんとなく苦手だったのだけれど、きちんと読んでみたら、この本はとても良いことが書かれていた。
人間を生み出した自然への驚嘆。
自然が人間に何を望んでいるか、耳を澄ますこと。
己を生かし、他を生かし、人類に何かしら善いものを足し、生命を成長させるために生きること。
金のためよりも、生命を生かし、本当に自然が命じる仕事こそが尊い仕事であること。
などなどのことが、とてもわかりやすい、読みやすく、胸に響く形で書かれている。
昨今流行りのいろんなハウツー本や成功哲学の多くのものよりかは、はるかにこの一冊をしっかり読んだ方がためになりそうである。
人生、恋愛、仕事、金銭との距離のとりかたなど、今もって武者小路実篤が直面し、考察した戦前の時代と、今の日本人が置かれている悩みは、あまり変わらず、よく似た部分も多いのかもしれない。
折々、また読み返した、良い本だった。