- 作者: 金子みすゞ,与田準一
- 出版社/メーカー: JULA出版局
- 発売日: 1984/08
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読み終わって感じたことは、「天才」ということだった。
世の中には、たまにモーツアルトのように、圧倒的な天才を感じさせる人がいるが、金子みすずもそうだったとしか思えない。
この全集は、全三巻に分けて、金子みすずの512編の詩が収録されている。
金子みすずの詩は一見平明でわかりやすいので、ついつい軽く見て読み飛ばしてしまったり昔はしていたのだけれど、今回丹念に読み、また個人的にエスペラント語に翻訳しようとしてみて、ともかく舌を巻いた。
通常、詩というのはけっこう無駄なことばが多かったり、わかったりわからなかったりするような部分が多いのだけれど、金子みすずの詩はどれもとても明晰で無駄がなく、とても奥行きがあり、天才としか言えない圧倒的に豊かな詩の世界がどの詩篇にもある。
代表作を選んだ選集には必ずしも載っていないすばらしい作品がたくさん全集には入っているので、金子みすずファンは一度は手にとって読んでみることをオススメしたい素晴らしい全集である。