- 作者: ウィリアムオールド,William Auld,臼井裕之
- 出版社/メーカー: ミッドナイトプレス
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
ともかく、一度読んでみて欲しい。
まだ、こんな知らない詩があったんだなぁ。
著者のウィリアム・オールドは、イギリス・スコットランドの詩人。
しかし、その詩は英語ではなく、もっぱらエスペラント語で書かれ、発表された。
エスペラント語は、周知のとおり、19世紀にザメンホフがつくった人工的な言語。
そのエスペラントが、いかに文学に適しているか、かえって他の言葉にはない新鮮な感覚や世界を切り開くものであるかを、その作品によってオールドは遺憾なく発揮し、示しているのだと思う。
残念ながら私はまだ流暢にエスペラント語を理解することができないので、オールドの詩をエスペラントの原文で読破することはできていないが、この翻訳のおかげで、日本語によって気軽にオールドの詩の世界に触れることができた。
これをとっかかりにして、いつか原文にトライしてみたいと思う。
戦争経験と平和への思い、性、人生へのいささか醒めたシニカルな視線とあたたかなまなざしの絶妙なブレンド。
オールドの文学は、何度もノーベル文学賞にノミネートされただけあって、二十世紀・二十一世紀の文学としてとても貴重な価値のあるものだと思う。
どうもこの頃いろんな詩を読んでみたがピンとこない、何かまだ知らない良い詩を読みたい、という人に、まだこんな詩があったのだと瞠目させてくれる本だと思う。
オススメの一冊。
私もいつか、poeto de la popolo Esperanta になりたいものだ。