だいぶ前に録画してた、NHKのドキュメンタリー「21世紀の戦争・サイバー攻撃の恐怖」を今日やっと見た。
http://www.nhk.or.jp/documentary/1111.html#a2
本当に、驚かされ、戦慄させられる内容だった。
「スタックスネット」と呼ばれる謎の高性能ウイルスがあり、それがイランのナタンズの核施設の遠心分離器を攻撃したそうである。
まかり間違えばチェルノブイリ並みの大惨事になっていたという。
そのことが、関係者の証言を交えて取材されていたけれど、windowsの「ゼロデイ」と呼ばれる死角を四つも突いて、通常では考えられないよくできたウイルスだったそうで、要するに、一種の兵器、サイバー兵器とも言うべきウイルスだったらしい。
シーメンス社のPLC(産業用制御システム)を「スタックスネット」ウイルスは攻撃し、書き換えて、遠心分離機を異常に高速回転させて破壊するように仕向けたそうである。
アメリカは、サイバー空間での戦争を、陸海空と宇宙に次ぐ第五の戦場と位置付け、対策を強化しているそうだ。
また、アメリカ・ロシア・イスラエル・中国などは、サイバー部隊を設立し、サイバー空間での戦場に備えているそうである。
特にイスラエルは、強力なサイバー部隊を養成し、2009年のシリアの核施設を爆撃した際は、あらかじめサイバー攻撃を行ってシリアの対空ミサイルやレーダーをすべて無効にし、核施設攻撃を可能にしたというから恐ろしすぎる。
「スタックスネット」ウイルスも、イスラエルが開発したものではないかと噂されているそうである。
実際、イスラエルのサイバー作戦の責任者だった人物が、「サイバー覇権」をイスラエルが握ることを目指し努力すると番組でインタビューに答えていた。
国家のみでなく、個人やグループでもこうしたコンピューター・ウイルス兵器を入手すれば、国家や企業を簡単に強力に攻撃・破壊できるようになるそうで、実際、民間のハッカー団体で環境保護を掲げている「アノニマス」という団体が、「スタックスネット」を入手し改良しているという情報もあるそうである。
実に恐ろしい時代になったものだ。
いわゆる「ならずもの国家」が核兵器を開発しようとしても、「スタックスネット」などで簡単に阻止されたり重大な損失を蒙る時代になったのかもしれない。
日本は、サイバー部隊などの備えは大丈夫なのだろうか。
一部に、勇ましく日本の核武装を主張している人々が日本にはいるけれど、そもそもサイバー攻撃に関する脆弱性をどうにかしないことには、まかりまちがって核開発に乗り出したところで簡単にサイバー攻撃で破壊されて自滅するという危険もあるのではないか。
また、番組で最後の方で実に恐ろしいことが報じられていた。
「アノニマス」が投票で、ターゲットにすべき地球環境に害を与える企業の投票をネット上で行ったところ、いくつかの世界の著名な多国籍企業とともに、日本の東電もランク入りしていたそうである。
東電、大丈夫だろうか…。