- 作者: アルボムッレスマナサーラ,Alubomulle Sumanasara
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 新書
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- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2009/06/05
- メディア: 文庫
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面白い本だった。
かつては、私も、二年間ぐらい、般若心経を毎朝毎夕唱えていた時期もあった。
サンスクリットの発音もカタカナで丸暗記したり、梵字写経もしたりしていたのだけれど、ある時を境にやめてしまった。
般若心経の解説書も、高神覚昇さんや松原泰道のものなどをはじめとして、ずいぶん読んだし、弘法大師の般若心経秘鍵などもずいぶん読んだ。
だが、要するに、般若心経って、私にはいまいちよくわからんかった。。
で、ある時を境にして、阿弥陀経を日々読誦するようになった。
この本を読んでいて、私のそのセンスは、そんなに間違っていなかったと思った。
スマナサーラ長老はかなりシビアなことを般若心経に対して述べていた。
初期仏教の立場からしても、そういうことになるのだと思う。
般若心経を愛唱している人には、そういったことはたぶん苦々しいか、聞いても聞かないことなのだろうけれど、どうせ日々に読誦するならば、阿弥陀経や慈経が良いのは確かな気がする。
それも、各人の縁や段階だから、他人がとやかく言うべきでなはいのかもしれないけれど、仏教は呪文ではない、ということだけはたしかだろう。
般若心経好きな人も、あるいはすでに他にシフトした人も、あるいは嫌いな人も、般若心経になにがしか縁があったり関わった人は、いっぺんはこのスマナサーラ長老の本を読んでみたら面白いかもしれない。
大事なことは心を育てることであり、呪文では心は育たない。
お経は意味もわからずに読んでも意味はないし、慈経や吉祥経などを何度も読んだ方がどれだけ心が育つかはわからない。
この本や他の著者の本を読んで、そのことはとても納得がいった。
本当に生きた仏教とは、そういうものだと思う。
良い一冊だった。
しかし、日本の葬式仏教や呪文仏教が好きな人には、摩擦や抵抗を引き起こす本なのだろうとは思う。