- 作者: 鶴見俊輔,重松清
- 出版社/メーカー: 潮出版社
- 発売日: 2010/01/05
- メディア: 単行本
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鶴見俊輔さんは、本当に、その精神の型といえばいいのだろうか、智慧といえばいいのだろうか、あらためて学ぶところの多い、すごい方だと思った。
・1905年が日本の教育の分岐点で、そこからおかしくなっている。それ以前のゲマインシャフト的なあり方こそ、日本の良さを育んでいた。
・途中点を与えることの大切さ。
・寄り道の大切さ。特に哲学においては。
・箱からこぼれおちる。それが思索の始まり。
・屈しもせず、自殺もしないで生き残ることの大切さ。
・「元気で良かったね」が子育てや教育の原点。
・自分の小説や文章は呼び水と思って書く。
・ひらめきと持久力が大事。
・本を、自分の人生の一部として読む。
・単なるlearningではなくunlearn(学びほぐす、学び解く)ことが大事。
・自分の血肉になるものを持つことがどれほど大切か。
・自分の中にいま何を溜めておくか。それが、老いを迎えることの準備にもなる。
・仕草やカタチの復権の必要。
などなど、とても大事なヒントをもらった気がする。
重松清の本もいろいろ読んでみたい気になった。
あと、鶴見俊輔さんが、日本のプラグマティズムの系譜として、高野長英、福沢諭吉、夏目漱石、石橋湛山、都留重人を挙げているけれど、それに鶴見さん自身も加えたものが、たしかに日本の非常に貴重なプラグマティズム・リベラリズムの系譜の気がする。
これをしっかり学び、私の血肉にしたいものだと思った。
良い一冊だった。