- 作者: 浅羽通明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 新書
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けっこう面白かった。
いろんなアナーキズムについてのエピソードや本が紹介してあった。
中でも面白かったのは、この本の冒頭で紹介してあったエピソード。
福沢諭吉は、実は無政府主義が一番理想の社会だと、息子に語っていたらしい。
ひょっとしたら、無政府主義は、急に社会の全域で実行することは到底できないとしても、心のどこかに持っておくと、この生き難い近代社会を生きる上において、何かしら正気を保ち、活力を与える夢なのかもしれない。
アナーキズム・無政府主義は、政府や政治権力の存在をあまりにも自明のものとしてしまっている現代人にとっては、何か大切なものを思い出させてくれるインスピレーションの源にはなるのかもしれない。
また、たぶん、これからのアナーキズムを生かす道というのは、この本で鶴見俊輔について述べられている箇所にあるように、小状況をいくつも地道に自分の周りに積み重ねることにのみ、つまり自発的で抑圧のない関係や状況を自分自身が日常生活の中でちょっとずつつくることにしか、ないのかもしれない。
いろいろ、この本で紹介してある本を、手にとって読んでみたくなった。