- 作者: 竹中平蔵
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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小泉さんが郵政解散をするちょっと前に出された本。
わかりやすく、小泉・竹中サイドからの郵政民営化の考え方が説明されている。
いろんな質問にも丁寧にわかりやすく答えてあり、これを読んでいると、郵政民営化は必要なのでは?と思えてくる。
もし、郵政民営化に反対するのであれば、この本の末尾に竹中さんが書いているように、十分に反対意見の論拠の説明責任を尽くし、この本に書かれているような小泉・竹中サイドの意見への正当な批判を論理的に行うことが必要だろう。
しばしばよく言われるような、過疎地域の切捨てになるのではないかということに対しては、法律によってそのようなことはさせないと竹中さんは明言している。
また、年々eメールの影響による郵便事業の収益の落ち込みや、「見えない国民負担」の問題を竹中さんは指摘しているが、もし民営化に反対するのであれば、これらの意見をさらに乗り越える必要があると思われる。
ただし、結局のところ、この本の、つまり小泉・竹中路線による郵政民営化の究極の根拠は「小さな政府」を良しとする考えである。
もし「小さな政府」ではなくて、「大きな政府」を目指し、別の価値観によるのであれば、別の論じ方があるかもしれない。
ただ、いずれにしろ、郵政民営化を論じるための良い叩き台になる本だと思う。